ところが、婚活市場とは私の固定観念を覆すものであったのだ。婚活は既述のようなカテゴリの人々のためにあるのではなく、なんと〝大学生のための婚活〟も存在する。こんなことに呆気に取られるのは私ぐらいなんだろうか? と、それはさておき…
うちの大学には結婚相談所がある。
そうはいっても、大学が運営する婚活サービスではない。正確に言うと、同窓会が大学の歴史の中で振興会へと大規模化し、一般社団法人となった。その、学内の法人が運営する事業の中に結婚相談、いわゆる婚活サービスがあるという格好だ。大学の卒業生だったり、卒業生の紹介、ここの結婚相談所で実際に結婚したカップルの紹介などがあれば、大学の結婚相談所を利用することができる。
私の場合、学生ではなくて院生だが、よく考えれば大学院生の方が、このような婚活サービスが大学にあればとっても心強いじゃないか! 最初、このことを知ったときはびっくり仰天で友だちにアピールしたものだが、聞けばなんてことはない。
いくつかの他大学にも同じような婚活サービスはあるのだそうだ。なんだそうだったのか……なにも特別なことではないのかもしれない。
でも、結構、気になる、気になる。
大学院生になる前、つまり会社で働いていたときは、いまほど結婚への焦りはなかったし、それなりに婚活相手というか恋活相手は周囲にチラホラ……居た。
結婚という二文字に焦りとかプレッシャーを感じるようになったのは、大学院生になってからの話だ。
はたして、私の通う大学の結婚相談所とはどんなところなのか?
教授たちからは「良いらしいわよ〜」と評価は高い。どうやら、先輩(卒業生)の方で、「田園調布に一戸建てを持つ人」など、結構いろいろな条件をつけたが、ピッタリの結婚相手が見つかったかららしい。ならば私だって……最後の手段は、大学の結婚相談所かな? そんなことを考え始めた。だけど、マスターのころはそんなところに行く気も、行く必要もなし、て感じだった。が、なかなか「結婚する」て難しいなぁと思い始めた今日この頃。
ひょいと、教授に言われた。
「あなたって身長165センチじゃないわよね」
「いえ、165センチですけど……」
この質問ってなに? 実は教授…結婚相談所に登録するため紹介状を書いて欲しいと頼まれたらしい。その男性結婚相手の希望像が、うちの大学院卒で、仕事を持っている人で、身長が165センチ……その他いろいろ。で、わたしにどうだ? と聞いてきたのだ。
その男性の身上書。まあ、いろいろ突っ込みどころはあったのだけど、目がでんぐり返るほど驚いたのが男性の年齢! なんと25歳! もちろん、わたしよりも年下だ。
へー25歳でも、見合いで結婚したいと思う男っているのね。いや、これは本人の希望というより、親の希望かもしれない。しかし…それはそれでこわいなあ……
結局、25歳の男性との縁談は成立しなかったものの、もし、自分がとうとう婚活パーティーなんてものに参加するようになるのなら、対してかなり地味ではあるが大学の結婚相談所なんてどうだ? 案外、最初っから属性の近い男女が集まるのだから……。くわえて、婚活費用も相当割安な感じがする。気になり始めた大学の結婚相談所。いったいどんなところなのだろう。
一流企業の人が多いとは聞く。医者や国家公務員が多いとも聞く。それは本当か……?
医者との結婚……開業医の優雅な妻と自分の将来を重ねてニンマリする私はおバカだなと思いつつ、この結婚相談所をリサーチしてみることにした。